大野式フリーマウントとAYOtraveler経緯台については以前のアーティクルで述べた。
先日、パンタグラフ+フォーク式の双眼鏡マウントを入手したのでこれらと比較してみた。
大野式フリーマウントはfujinon 16×70 FMT-SXに対して、1.2kgのバランスウェイトだけで余裕で釣り合っている。
パンタグラフ+フォーク式の双眼鏡マウントは、ダンベル・プレート0.5kg×4+アンクル・ウェイト1kg×2、すなわち4kgでfujinon 10×70 FMT-SXがかろうじて釣り合った。パンタグラフとフォーク式架台を繋いでいるGITZO G1275雲台をより軽量なものに変更すれば、少しは余裕が生じるのだろうが…
以前から使用していたAYOtraveler経緯台+自作アングルプレート+ニコン双眼鏡アダプタにfujinon 10×70 FMT-SXを載せたところ。バランスウェイトは2kgで若干足りないが構造上支障ない。
自作アングルプレートは、L字型に接合した2枚のプレートをアリガタへT字型にネジ止めしたもの。
アリミゾとアリガタのスライドで前後の重心、アリガタとのネジ止め位置で高さの重心を調整する。
双眼鏡フリーマウントの価値は、
- 身体が干渉しない程度に三脚などから双眼鏡を離す
- 抵抗なく対象を視野に導入できる
- 手を離したその位置で双眼鏡が静止する
ニコン 7×35Eでも支柱が歪むために手放してしまったユーハンターと比べれば、3組とも十分に条件を満たしてはいるのだが、
- 三脚のエレベータで高さを変えるAYOtraveler経緯台は、それ故双眼鏡を三脚から十分に離すことができない。
- 大野式フリーマウントは、高さを変えると双眼鏡の向きが変わる。個人使用ならこれは問題ではないが、観望会で観測者に合わせて双眼鏡の高さを変えるたびに、導入しなおさなければならないという欠点になる。
- パンタグラフ+フォーク式は、双眼鏡の向きが変化しない点はよいが、全重量およそ8kgを支えるには強度不足であり、3組中もっとも追従性が劣る。十分な強度のありそうな輸入マウントは存在するが、双眼鏡本体より高価なため好奇心だけではおいそれと手は出せない。
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